氏 名: 井戸 慶治(いど けいじ)
所 属:(新)国際文化コース、(旧)欧米言語コース
Eメール: ido ## ias.tokushima-u.ac.jp (' ## ' を '@' に換えて送信)

専門分野: ドイツ文学

担当科目:
 全学共通教育のドイツ語、ドイツ文学史、ドイツ言語文化研究II、欧米言語ゼミナール

自己紹介:
 私のこれまでの研究対象は、ドイツの初期ロマン派、特にノヴァーリス(1772-1801)です。彼は製塩所の技師をしながら「青い花」や「夜の讃歌」のような文学作品を書き、また哲学、文学、芸術、政治、自然学など多くの分野にわたる3000ほどの「断片」や覚え書きを残しています。そこには簡潔な表現でよくわからないながらも真実を言い当てているように感じられるものがいくつもあり、考えてみようという気にさせられます。彼は当時の観念論哲学に興味を持ち、カント、フィヒテなどの研究ノートも残していますし、本業との関連で自然学にも強い関心を持ち、化学、鉱物学などでその頃としては最先端の知識を有していたようです。彼の書いたものは、そうした多方面の知識や思索が不思議な仕方で融合してできた、魅力的な産物です。そもそも18世紀後半は、現在のように専門分化がまだ進んでいなくて、それがようやく始まりかけた頃でした。文学者と哲学者が同じ問題、例えば「崇高とは何か」を論じ合い、文人が自然研究をおこなったり、逆に自然学者が文学作品を書いたりしていました。そういうわけで私の研究も、いわゆる「文学」以外の要素とも関連しないわけにはゆかず、これまで書いた論文は、哲学との関連を扱ったもの、自然学との関連を扱ったもの、文学作品(詩)を扱ったものという三つに分けられます。今後も他分野や同時代と先行する時代の思想家、作家との関連を念頭において研究を進めてゆきたいと考えていますし、そのなりゆき次第では思わぬ寄り道をしてしまうかもしれません。それもよいかなと思います。いろいろなことに首を突っ込んでいると、虻蜂取らずになるかもしれませんが、思わぬつながりが見えてきたり、今までわからなかったことが突然わかったりということもありますから。
 他に、第一次世界大戦中、徳島近郊にあった「坂東俘虜収容所」でドイツ人捕虜によって発行されていた新聞『バラッケ』の翻訳に、数人の先生方といっしょに従事しています。記事は世界情勢から日本・中国の研究、ドイツと収容所周辺の地誌、所内でのさまざまな催し(音楽、演劇、スポーツ、絵画展)の報告や内輪話にいたるまで、内容豊富で興味深いものです。
 講義ではこれまで、18世紀から19世紀にかけてのドイツ文学史、ゲーテ時代の文人の自然研究などを扱っていますが、今後はドイツの詩の世界にも目を向けてみたいと思っています。


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