氏 名: 山内 暁彦(やまうち あきひこ)
所 属:(新)国際文化コース、(旧)欧米言語コース
Eメール: yamauchi ## ias.tokushima-u.ac.jp (' ## ' を '@' に換えて送信)

専門分野: 英文学、風刺文学

自己紹介:
 私の研究分野は「英文学」です。とりわけ18世紀の文筆家ジョナサン・スウィフト(Jonathan Swift)の人と作品を中心に研究を続けてきました。彼は 『ガリヴァ旅行記』の作者です。この作品は今では子供向けの童話か何かであるとして一般には知られているようですが、実は当時のイギリスやヨーロッパ の政治や社会が抱える様々な問題や、ひいては人間が免れることのできない短所や欠点を痛烈に諷刺した大人向けの作品なのです。
 作品の第1部「リリパット渡航記」では、ガリヴァは小人の国へ行き、いろいろな活躍をします。例えば単身敵国に乗り込み敵の船団を曵いて来て戦いを未然に防いでしまうという有名な場面がありますが、これは単に戦争反対の平和主義の物語であるかのように見えるかも知れません。しかし、むしろ私達は、この時手柄をガリヴァに横取りされてしまった海軍大臣がその後彼に対する宿敵となり、ガリヴァの死刑を求める「弾劾文」までも書いてガリヴァを窮地に立たせる、という成りゆきの方にこそ注目すべきなのです。つまり、ここには人間の持つねたみや悪意と言ったネガティヴな面がしっかりと遠慮会釈なく描かれていると言って良いのです。
 というわけで、この作品の持つ諷刺的な側面というのは、研究の対象として大変面白いものであると言うことができるのです。その他、作品の第4部「フウイヌム国渡航記」ではヤフーとフウイヌムという奇妙な生物とガリヴァとの関係を通じ、いわゆる「人間性」そのものまでが問題とされるに至ります。ヤフーという言葉、目にしたことがありますよね。出所は『ガリヴァ旅行記』なのです。この作品についても、作者についてもまだまだ色々なことを述べたいのですがスペースの都合によりこのくらいにしておきます。
 興味が湧いた人は山内の担当授業「英米文化研究 II」(金7-8)もしくは「欧米言語ゼミナール」(月9-10 または 金9-10)を一度受講してみて下さい。少人数のクラスですが、気楽な雰囲気づくりを心がけています。『ガリヴァ旅行記』や関連する分野の色々な諷刺的な作品を一緒に読んでいきましょう。


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